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雪花の虎 71話あらすじネタバレ
第一次川中島の戦いから約八年。
すれ違い続けてきた謙信と信玄の二人に、運命の直接対決の時が迫っていました…
[作者ナレーション]
多くの人が「川中島の戦い」と聞いて思い浮かぶのは、やはり川中島古戦場で銅像にもなっている「謙信と信玄の一騎討ち」でしょう。
一騎討ちの他にも「謙信の妻女山への布陣」「勘助の啄木鳥戦法」「車懸りの陣vs鶴翼の陣」なども有名。
もっと詳しい人になると「水煙の数」「鞭声粛々夜 河を渡る」「花も実もある鬼小島」そして「霧の遭遇」などを思い浮かべる方もいるでしょう。
上杉謙信と武田信玄が川中島で戦をしたのは五回とも六回とも言われていますが、一般的に「川奈島の戦い」といえばこの四回目を指します。
戦国時代の有名な戦いを三つ挙げろと言われたら、日本人なら大体は「桶狭間の戦い」「関ヶ原の戦い」そしてこの「川中島の戦い」と答えるでしょう。
「桶狭間の戦い」は織田信長が今川義元を奇襲戦の末倒して天下に名乗りを上げた戦い。
「関ヶ原の戦い」は徳川家康が石田三成を倒し、天下を手にした戦い。
どちらも日本の歴史のターニングポイントとになった大戦なのは間違いありません。
それに対してこの「川中島の戦い」ときたら…
勝った側が天下を手にしたわけでも、負けた側が滅んだわけでもない。
日本の歴史の本流に全く関係ない、いわば地方の小競り合いのような戦にすぎません。
ではなぜそんな戦がこれほどまでに有名になり、人々を魅了し続けるのか…
【信濃・海津城】
謙信にちょっかいを出す事が楽しい信玄は、越後国境にある割ケ嶽を激戦の末に陥落させます。
ここを陥落させれば、さすがに謙信も関東からこっちに向かって来るだろうと信玄は考えたのです。
そしてその狙い通り、謙信はアッタマきた！女だと思ってナメ腐りおって！とすぐさま越後に戻り戦の準備に入ったのです。
その頃、信玄は海津城で自身の新しい兜を受け取っていました。
それは前立てに諏訪法性と四ツ菱をしつらえ、鉢にはヤクの毛が植えられた兜でした。
その見事な出来栄えに完璧だよ諏訪姫と感嘆しきり。
甲冑を身につけた信玄、謙信との何度目かになる戦いを前に、我ながらよく飽きぬものだと謙信を山猫に例え、さて、また戯れるとするかと呟くのでした…。
【永禄四年八月・春日山城】
謙信配下の諸将が春日山城に召集されていました。
本庄から諸将に川中島での陣立てが言い渡されます。
先陣、一番備えを言い渡されたのは村上義清。
ある意味、謙信と信玄を結びつけたとも言える信濃の猛将。
謙信は村上に一番槍、存分に奮うよう声をかけます。
二番備えを言い渡されたのは柿崎影家。
上杉軍きっての猛将。
軍の黒揃えは柿崎自慢のもの。
謙信は自慢ををくすぐるように”黒揃え”の勇姿を期待しているぞと告げ、士気を高めます。
本陣は謙信が率い、本庄と宇佐美が補佐。
宇佐美は兵法に長けており、いわば上杉軍のブレーン。
謙信は自分の閃きを重んじてはいましたが、宇佐美の経験や知恵を軽んじてはいませんでした。
後陣は斎藤朝信。
その武勇を謙信は高く評価。
戦場において朝信に勝る者などおらぬと激賞し、頼りにしていると声をかけます。
小荷駄を任されたのは直江景綱。
武辺者が多い越後においてこの繊細で重要な役回りを任せられるのはお前しかいないと謙信。
本庄が最後に殿（しんがり）の将、甘粕長重の名を告げます。
それはシロでした。
普段シロとしか呼ばれていなかったので本人気がつきません。
シロは仲間からお前だろと言われ、自分みたいな者が殿？と驚くばかり。
そこへ歩み寄る謙信。
シロを甘粕長重と呼び、これまで影武者として仕えてくれた礼を述べ、お前も一人の武将として名を上げる時が来たのだと諭します。
謙信に自分を認められ、嬉しくて涙をこぼすシロ。
早駆けの童から上杉軍の殿を任せられるまでに出世したシロを誰よりも謙信が喜んでいました。
謙信は諸将を前に号令をかけます。
いざ川中島へ！！
毘沙門天が遣わせし神の軍勢、越後上杉軍、運命の「第四次川中島の戦い」へ出陣です。
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雪花の虎 71話感想
冒頭のナレーションでも触れられていましたが、この第四次川中島の戦いは諸説入り交じって伝わっており、何が真実なのかハッキリしていません。
だからこそ物語的には面白く、作者が好きに諸説を解釈して構成することができるのだと思います。
今回あえて冒頭に諸説を並べたのは、これらを私流にアレンジしますという作者の宣言にも感じました。
謙信が女性であり、信玄が色ボケ呼ばわりされている本作ですから、何かしら二人の関係性が戦いの最中に描かれるのでは？
後に謙信が信玄へ塩を送ったという話や、信玄が臨終の床で勝頼にいったという「困ったら謙信を頼れ」という話があります。
これらは第四次川中島の戦いにおいて騙し騙され、まさに死闘を演じたことで互いを認め合えた結果だと思います。
二人の間に友情とは違う何か特別な関係性が生まれた戦いになったのは間違いなさそうですので、それがどんなものなのかが楽しみ。
謙信は信玄に女だと馬鹿にされていると思っているようですが、信玄は女だと知って俄然興味が出たのです。
まさかとは思いますが、色ボケ信玄ですからね、この短期間のうちに興味が恋愛的感情へとスライドしていくことも考えられますね。
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